主に研究開発を行っています。構造物の鉄骨材や鉄塔に施される溶融亜鉛めっき加工の技術について、さまざまな実験を通じてメカニズムを解明し、その結果を新技術の開発に発展させています。研究成果を工場サイドにフィードバックして技術力・生産能力・品質の向上も図っています。他にも、お客様からのめっきに関する技術相談の対応や、ISO14001の運用サポート、廃棄物処理法や騒音規制法などの順守しなければならない法令に関わる各種対応も行っています。
【取り組んだ研究開発例】
①熱応力解析による鋼構造物の溶融亜鉛めっき時の割れおよび熱変形対策に関する研究
溶融亜鉛めっき加工では、部材を約440℃前後の溶融亜鉛へ漬け込むため、部材に急激な熱が加わり、場合によっては部材の破損や変形が起こることがあります。こうした不具合は、事前に最適な部材の構造やめっき条件を選べていれば防止、または軽減することが可能です。その選定を、コンピュータ解析によるシミュレーションを通じて行います。
②高度画像処理を用いた「塗膜劣化度診断支援システム」の研究
鋼構造物の塗装の劣化度合いの診断は、これまで多くの場合、人の視覚に頼って行われてきました。ただこの方法には、診断する人によって結果にばらつきが発生する、また大型構造物の場合、人手も時間も多く掛かるため莫大な費用が必要になるという問題があります。そこで、コンピュータに人の診断基準を学習させ、劣化度合いを判定させる「塗膜劣化度診断支援システム」の研究をしています。このシステムを活用できれば、勘と経験に頼らない塗膜の劣化状態の定量的な評価が可能になり、診断コストの削減にもつながります。
とある土木分野の製品で、通常のめっき加工を行うと大きく変形するという品質的な不具合が発生するものがありました。お客様からは「今後の受注にも関わってくるため、なんとか品質問題を解決してほしい」と依頼を受けたので、しばらく試行錯誤しましたが、思うような結果はなかなか出ませんでした。そこで先輩方に相談し、話し合いを重ねる中で、これまでと違った新たなめっき方法が浮上。前例のない方法ではありましたが、引き続き試行錯誤を繰り返し、最終的になんとかお客様の要求品質を満たすことができるようになりました。
協力して仕事を進めるということです。問題となっているテーマに対して、自分なりに考えますが、多くの場合ひとりではどうにもなりません。また、自分ひとりの狭い知識や視野の中で考えるため、必ずしもベストな判断ができるとは限りません。経験年数・キャリアの異なるみんながそれぞれの立場から知恵を出し合い、広い視野で考えるからこそ、困難な問題も乗り越えられると考えています。お客様に満足してもらえる製品を、協働によって世の中に送り出せるのがデンロの強みです。
既存の溶融亜鉛めっき技術をさらに発展させつつ、新たな技術開発にも取り組んでいきたいと考えています。また、研究で得られた成果を社内の工場にフィードバックすることで、部門全体のレベルアップを図っていきたいです。
現状のコンピュータ解析ではまだまだ問題が多く、100%完全なシミュレーションとはいかないのが現状です。今後、さらに研究を進めて精度を向上させていき、より手軽に部材の構造・めっき条件の事前検討を行えるようにしていければと思います。これらを通じて、お客様に今まで以上に「技術のデンロ」「頼りになるデンロ」と感じてもらえるようにしていきたいと考えています。
1年目
入社後、本社で研修を受けたあと、丸亀工場、八尾工場、東北ガルバセンター、東北工場の各工場で実習を行う。
2年目
東北ガルバセンター製造部製造課に正式配属。溶融亜鉛めっきの現場作業を行い、めっき製造技術を学ぶ。その後、製造部工務課に異動し、約半年間、工場で使用している設備の仕組みやメンテナンス技術を学ぶ。
3年目
東北ガルバセンター技術営業部に異動し、主に技術に関する業務を担当。先輩の指導のもと、溶融亜鉛めっきに関する技術研究、JIS認証、ISO14001取得業務に携わる。
4年目
JIS認証事務局、ISO14001管理責任者に就任。岩手大学と共同で実施している溶融亜鉛めっき時の部材の割れ・歪みに関する研究を、先輩から引き継ぎ担当者になる。
7年目
福島大学と共同で実施している塗膜劣化度診断支援システムに関する研究を、先輩から引き継ぎ担当者になる。
10年目
東北ガルバセンター長付に異動。
6:00起床
家の掃除をする。TVでニュースと天気予報を確認しながら朝食をとる。
7:30出社
メールを確認。当日の作業内容をチェック。
8:30朝礼
当日の行事内容、打ち合わせがあればその内容を確認する。
9:00技術資料作成
他の部署から依頼された技術資料を作成する。
11:00事前検討
お客様の製品の図面等を確認。「めっき可能なのか」「構造的に問題ないのか」等をチェック。不具合がある場合は、お客様と相談のうえ、最良な方法を提案する。
12:00昼食/休憩
先輩や後輩と世間話を楽しむ。
13:00既往文献の調査
実施予定の実験について、既往の文献を調査する。
14:00実験打ち合わせ
実験方法について上司に相談。多くの場合は、想定していた実験方法よりも、効率・コスト・精度の点で良い方法にまとまる。
16:00論文作成
学会に提出する論文を作成。解析や実験データを再度まとめる。
17:05退社/夕食
直近の予定を確認して退社。家族と今日の出来事などを話しながら夕食をとる。
20:00団欒
子供と遊んだり、勉強を教えたりして過ごす。最近は時計の読み方やひらがなの書き方を教えている。
21:00入浴
子供たちと一緒にお風呂に入った後で寝かしつける。
22:00趣味の時間
録画した番組や映画を見て過ごす。インターネットで家電関係の情報を検索する。
23:00就寝